2012年10月20日
Cinema / Think

ル・コルビュジェの家とデザインの前後左右

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから60km離れた街ラプラタの街にあるクルチェット邸を舞台に繰り広げられる隣人トラブルなる人間模様。クルチェット邸に住む社会的成功者であるレオナルドと、隣人であるザ・アルゼンチンなる男ビクトル。二人の距離は近くて遠い。現代社会に対する批判・批判・批判、そして皮肉が重層的に詰め込まれ、ユーモアとホロリな刺激、無駄のない映像。鑑賞後の胸のざわつきがおさまらない。ビクトルが脳裏から離れない。

映画『ル・コルビュジェの家』
http://www.action-inc.co.jp/corbusier/


レオナルドが成功するきっかけとなった椅子「カチャノフスキー・チェア」は実在するアルゼンチン人デザイナー、ディエゴ・バティスタによる「プラセンテロ・チェア」。この椅子、本当に座り心地が良さそうで、一度座って身を委ねてみたい。いや、欲しい。その前に、この椅子が置けるような部屋に住みたいかも。ん?ボクはレオナルドを目指すのか?それでよいのか?つまり、、、そういうことなんだな。うん。自己完結。

Placentero Chair
http://placenterochair.com/

クルチェット邸の図面を知っていると、より面白いかもしれない。知らなくても充分におもしろいけど。

久しぶりに映画らしい映画を観たというか、夫婦での映画鑑賞は、娘が産まれる前に観た「マン・オン・ワイヤー(MAN ON WIRE)」ということで、実に3年以上前だったw つまり、間もなく娘も3歳となる。時が流れるのは早い。鑑賞後のお昼をいただきながら映画について会話する。映画鑑賞における、ひとつの至福なる時間でもある。で、そのまま「田中一光とデザインの前後左右」を体感すべく21_21 DESIGN SIGHTへ移動。

TT

デザイナーである自分の今の立ち位置、社会との距離、使命とは何ぞと問いかけられる素晴らしい展示でした。時間を見つけて再訪したい気持ち。いつか、この「T」がTOKUMAの「T」となる日は訪れるのだろうか?

田中一光とデザインの前後左右
http://www.2121designsight.jp/program/ikko_tanaka/

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C10M60Y70

『ル・コルビュジェの家』の劇中、レオナルドがミース・ファン・デル・ローエの作品に影響を受けた中途半端な作品を提示した学生に対して放った、『80年前のコンセプトで、さらに質の低いものを世に送り出すのか?』的なセリフがある。田中一光展を見終えた後、より強く印象に残った。

TANTO.jpg

21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/

ブログにアップしそびれたけど、前回の企画展 「テマヒマ展 〈東北の食と住〉」も素晴らしかった。

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sunday TOKIHOUSE *17