2009年07月03日
Think / Work

AXIS

axis0908.jpg
AXIS 8月号
中村勇吾さんの表紙。

自分は、1998年にグラフィックデザイナーとして名古屋の広告会社で働き始めた。ひたすらに様々な広告デザインを経験させていただいたが、当時仕事の合間にネットで出会ったMONO*crafts.というサイトに衝撃を受けた。サイト内にある様々なインタラクティブ・コンテンツに心躍り、なんだかソワソワした。今、自分がいる場所は此処なのかと疑問を持つ程に。

その後、紆余曲折を経て東京へ、気がつけばフリーに。フリーになって1年後の2003年、NISSANのWEBシネマ「TRUNK」という仕事に参加した際、勇吾さんも関わっていると聞いた時は後頭部に血が集まった記憶。WEBチームの打ち上げで初めてお会いしてお話しした際にはド緊張。その後は一度だけ食事を一緒にする機会があったが、何を話したかあまり覚えていない。気さくでおもしろい人だな〜という印象だけで終わってしまった。緊張をほぐすために他愛もない話をしているうちに時間が過ぎてしまった。

勇吾さんの仕事で、いつも興味を惹かれる点は「ウホッ」という喜びを感じるところ。「そうくるか〜」という自分が今まで経験してきた記憶の引き出しをスッと開けてくれて、ポンッと膝を叩くような、コロンブスの卵的爽快感があり、ちょいと前のめりになる。普段インタラクティブなコンテンツに携わる機会は多くないのだが、インフォグラフィックの表現や広告のグラフィックでも、そういったところに落とし込んでいきたいと常々思う。

http://tha.jp/
http://yugop.com/

と、勇吾さんの表紙のAXISを見ていろいろ思いが巡ったわけですが、101頁に私の作品紹介と少しだけ普段の仕事についてインタビューが載ってます。誌面上、全く接点はないですが、ご一緒できて光栄だな〜と。

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グラフィック・デザインの仕事では、製品ではなく製品の情報を伝えるコミュニケーション・サポート的な立ち位置が多いので、伝える情報そのものは自分の「製品」ではない。表層的なグラフィックやコピーは製品の装飾的な役割であり、伝える情報のサポートでしかない。さらに言えば、それらのグラフィック自体も自分が生み出した作品ではなくて、方法や手法でしかない。グラフィックデザイナーはその技法に溺れないようにしないといけないと思う。注意を払うことは大事ではあるけどね。

本質は、情報を伝え、より多くの人を「行動」させることであるのだから、情報が伝わる中で生まれた「人が行動を起こすための感情」こそが、目には見えないけど僕らの「製品」なんだと思う。そこで生まれる「感情」のクオリティが高ければ高いほど、「行動」という結果が得られ、クライアントも大喜び。人が行動する時には、必ず行動させるに足る「感情」が生まれているのだ。その「感情」をより多く作り出すために、日々いろんな手法を試みているのだ。僕らが作る製品は目に見えず、いつの間にか無くなる儚い人の心の「感情」なのだ。人の心を揺らす仕事をしているのだ。

ちょいと、上手くまとまらないので、またあらためて整理しておきたいが、勢いで朝からノートにメモ。

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sunday TOKIHOUSE *17