2009年07月17日
Art / Think

Less and More

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府中市美術館で行われている「純粋なる形象」展へ足を運ぶ。

純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代―機能主義デザイン再考
府中市美術館(7/20まで)

プロダクトデザインではありつつも、グラフィックデザインのような製品群。「白雪姫の柩」とニックネームがついたSK4ラジオ・レコードプレーヤー(1956:BRAUN)の整然とした各ボタン・計器類などのレイアウトの美しさ。TP1ポータブルラジオ・レコードプレーヤー(1959:BRAUN)のスピーカーとダイヤルつまみ位置のレイアウトの妙。必要なものだけが、存在すべき的確な位置に配置されている。一番好きだったのは、FS1000ポータブルテレビ(1962:BRAUN)で、ストイックなグリッドにレイアウトされたデザインの中に、ブラウン管独特の丸みが絶妙なアクセントでグッときたね。あと、スタンド式のブラウン管TVは我が家のEIZOと同じようなスタイルで、オッ!と目に止まる。

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ディーター・ラムスによる良いデザインの10箇条を引用メモ。

The Ten Commandments on Design

1:Good design is innovative.
良いデザインとは、革新である。

2:Good design makes a product useful.
良いデザインとは、実用をもたらす。

3:Good design is aesthetic.
良いデザインとは、美的である。

4:Good design helps to understand a product.
良いデザインとは、理解をもたらす。

5:Good design is unobtrusive.
良いデザインとは、謙虚である。

6:Good design is honest.
良いデザインとは、誠実である。

7:Good design is durable.
良いデザインとは、長命である。

8:Good design is consequent to the last detail.
良いデザインとは、最終的にディティールへと帰結する。

9:Good design is concerned with environment.
良いデザインとは、環境への配慮とともにある。

10:Good design is as little design as possible.
良いデザインとは、可能なかぎりデザインを抑制する。

展示後半に、現在のプロダクト製品であるMUJIの壁掛けCDプレイヤーや、ジャスパー・モリソンのコーヒーメーカー、アップルのiPodなども一緒に展示されているエリアがあった。今を生きている良いデザインの10箇条を満たすような製品群である。

僕の仕事であるインフォグラフィクにおいての情報の機能性は、プロダクトデザインの感覚に近いような気がするので、この10箇条はかなりそのまま当てはまる。しかし、常に革新であることは難しいよね。また、グラフィックは使用媒体などシチュエーションが違う場合には、時代性をプラスしないと弱くなることもあるんだよな〜。なんて言ってると、ラムス氏に喝を入れられそうだね。

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