2010年01月11日
Book / Think

Subway & Tube

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ニューヨークの地下鉄のサインに関する資料本を購入。
Subway
Helvetica and the New York City Subway System
http://www.helveticasubway.com/
Paul Shaw

限定400部の本だけど、残り48冊(Jan. 5, 2010)となってました。
ネタ元はPETITBOYSさんの記事で知って、思わずポチッと。

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地下鉄のサインって、情報デザインの中でもかなりシステマチックに仕上げることが出来ますよね。そもそも地下鉄の交通システム自体が究極的にシステマチックな仕様ですし。現在、世界中の大都市における地下鉄はとても複雑に発達していますが、多くの路線図は簡略化された線と色でシンプルに仕上げられています。線路の経路、駅名、乗り継ぎポイントや、各路線毎に色分けなど。最近は駅名をアルファベット(路線)と数字(駅)を組み合わせて表記することにもなってきているので、ますます記号化されています。ま、あんまり記号に置き換えすぎると利用者が混乱するとは思うのだけど・・。とはいえ、このようなシンプルな路線図は、Henry C. Beck (ヘンリー・ベック) 氏によるロンドンの地下鉄路線図が最初になります。

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Henry C. Beck, tube map(1933) / London Transport Museum
ちなみに現在のチューブマップはこれMaps | Transport for London

ベック氏以前の路線図では、実際の地図上に走っている路線をそのままに描き込まれている地図のために、間違ってはいないけど・・・分かりにくいですね。地下鉄って、乗ってしまえば土地のどの辺を走っているかよりも、降車する駅まであといくつで到着するとかの方が重要ですから。地下鉄利用者の究極の目的は駅から駅への移動にしか関心が無いのだと思う。駅名を等間隔に配置して、角度を整えた路線図を最初に作り上げた彼の功績はとても大きいと思いいます。

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tube map(1908)

使用目的を単純化(明確に)して情報を鋭利に研ぎ澄ましていくと、デザインも自ずと美しく仕上がっていく好例ですね。まさにプロダクトデザインと相通じるモノがあるんだと思います。どんなに突飛で革新的なデザインであろうと、使用する人間がそのデザインを意識せずに普通に使いこなすことが出来れば、成功するのだと思います。そして一般社会へ普及・模倣されていくことで、社会を変えていけると。自分もベック氏のようなデザインを生み出していきたい。

あ、買ったのはニューヨークの地下鉄の本だったね。

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sunday TOKIHOUSE *17