Thursday, December 30, 2004

Paris,Texas

パリ、テキサス

Ry Cooder

きゅうきゅう切なくなるのは、楽しいことか辛いことか。
古い事を思い出さなくなるのは、前向きなのか寂しいことか。
瑣末な事を気にしないのは、あっぱれなのか馬鹿なのか。

苦痛をうまくやり過ごすのは、効率的か惜しいことか。
疾走するのは、鍛錬なのかただの疲労か。
立ち止まるのは、熟考の為か時間の無駄か。

ただひとつ確かなのは、答えはないということだけ。
曲がりくねってる毎日でさえ、
振り返った時には真っ直ぐに見えることを、
私はもう知っている。

Sunday, December 26, 2004

Joao Gilberto

三月の水

Joao Gilberto

今年は雨が多かった。
いつからだろう、こんなに雨が苦痛になったのは。
幼いころは、降ったら降ったで、
窓辺に座ってたくさんのしずくが落ちるのを見つめながら、
レコードにじっと耳を傾けるのが好きだった。
大人になって、雨が降ろうが風が吹こうが、
平日の朝は外に出なきゃいけなくなって、
それから雨が苦痛になった。

出かけなくちゃいけないから、雨に濡れることもできるだけ避ける。
一生懸命、傘を握って、
肩をすぼめて、向こうから歩いてくる人の顔も見ないで。

ほんとうは、許されるならば、やさしい雨を浴びていたい。
濡れようが、体が冷えようが、
家に帰ってバスタオルをかぶればいいだけのこと。

こんど雨が降ったら、
ジーン・ケリーみたいに踊る気分にはなれなくても、
ジルベルトの唄を浮かべて歩こう。
そしたらもう少し、雨のことも好きになるだろう。